ガン治療として注目される動物のための細胞免疫療法

犬の写真 ペットの長寿化に伴い、近年件数が急増しているのがペットのがんです。人間同様ペットのがん治療も進歩を遂げ、外科療法、放射線治療、化学療法(抗がん剤)というがんの三大療法が積極的に行われています。

外科治療は早期のがんや、固形(局所)のがんに非常に有用で、目的は根治であり、人と同じくペットにも最も効果的な治療法です。 しかしがんの部位によっては、切除が不可能な場合があります。

放射線療法は、そのような切除不能な部位にあるがんに対し、放射線を照射することでがん細胞を殺傷します。しかしながらペットの放射線療法は、外科療法のような局所治療では対応できない転移・進行したがんが多く、全身麻酔をかけて週に何度も行わなければならず、ペットおよび飼い主様にとっては非常に大きな負担を強いることもあります。

また化学療法もある特定の腫瘍(悪性リンパ腫等)には効果を発揮し、がんの進行をくい止めたりしますが、局所治療では対応できない転移・進行した全身のがんに対しては何とかがんを大きくしないというのが主な目的となりますが、抗がん剤の多くは、その効果ゆえに大変強い副作用があるとから、ペットのQOLを低下させることもあります。そのため副作用の少ない新しい抗がん剤や、他のより良い全身療法の開発が強く求められています。

そこで人の医療ではそういった根治が困難ながんに対して第四の治療法として注目されているのが、『細胞免疫療法』です。多くの大学病院、医療機関が、がん治療に細胞免疫療法を取り入れ、またその有効性、安全性をさらに高めるべく、積極的な研究開発、技術開発が進められています。

人と同じく健康なペットのからだの中でも「がん化」する可能性を持った細胞が日々作られています。しかし「がん」にならないのは、体内で働く免疫システムの力によります。細胞がガンへと変化することを防ぎ、またガン細胞が増殖するのを防いでいるからなのです。この免疫システムが正常に働く限り、ガン化を止めることができ、また発病している場合も進行を遅くすることができるわけです。

この「がん」に対する免疫反応を高める治療法が『細胞免疫療法』です。『細胞免疫療法』では、まずペットの血液から「ガン細胞」を攻撃する「免疫細胞」を取り出し免疫機能を強化します。この免疫を強化した血液を「点滴」や「注射」で体内に戻し「免疫反応」を利用してガンを攻撃するのです。

細胞免疫療法の大きな特徴

1. 本質的に副作用がなく、QOL(quality of life:生活の質)を維持することができます。ペット自身の細胞を増殖・活性化して用いるため、免疫細胞の活性による微熱が稀に見られること以外、本質的に副作用はありません。

2. 手術後の補助療法として、再発予防効果が示されています。手術では取り除ききれない体内に残った微小ながんに対しても作用するため、再発予防には特に適しています。

3. ほとんどのがん種に適用可能です。一部の血液がん(白血病やリンパ腫等)を除くほぼ全てのがんが適用対象となります。

動物のからだに負担も小さく、ますます期待される細胞免疫療法。

細胞免疫療法と三大療法との関係

『細胞免疫療法』は副作用が非常に少ない上に、入院をせずに通院で行える治療法のため、ペットおよび飼い主様には最小限のストレスで治療を行うことができます。

トムズどうぶつ病院細胞免疫センターが行っている『細胞免疫療法』は古くは1980年代の後半に人の医療に対し、米国の国立予防衛生研究所(NIH)のローゼンバーグ博士が創始したものですが、その後の免疫学の発展により現在に至るまでに大きく、改良、発展してきたものです。
現代の免疫学の知識に照らし合わせて、理論的に厳密に組み立てられた治療法です。そして細胞の培養技術、つまりしっかりとガン細胞と戦うための細胞を作るためには十分な技術と知識が必要です。

トムズどうぶつ病院細胞免疫センターの行うペットのガンに対する活性化自己リンパ球療法は、動物の免疫細胞を体外に取り出して培養・活性化したものを再び体内に戻すことによってガンの進行を抑えたり、手術後の再発を予防しようとする治療法です。

『細胞免疫療法』は、最近の免疫学の発展やバイオテクノロジーの進歩により次々に新しい方法が可能となってきています。

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